弁護士に委任するとものすごく多額の費用がかかる、と考えている人が多いようです。

また、「弁護士は高い」という一般的な認識に乗っかって、バカ経営者・バカ上司が、会社を相手に争おうとする社員に対して、「弁護士なんか頼んだら何百万も取られるんだぞ。お前なんかカモにされるんだぞ!」と恫喝することもあるようです。

でも、実際問題として、「弁護士に頼んだら具体的にいくら掛かるか」ということをちゃんと知っている人は少ないと思います。

 

弁護士の報酬に関し、以前は、日本弁護士会の報酬基準というのがありましたが、平成16年に廃止となりました。現在では、弁護士の報酬は自由化されています。とはいえ、旧基準に準じて報酬額を定めている弁護士が大多数なのが現実です。

 

参考リンク:(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

 

弁護士の報酬は、大きく「着手金」と「成功報酬」に分かれます。

着手金は事件を依頼する際に支払う金額で、敗訴しても戻ってきません。

成功報酬は、弁護士に依頼したことで経済的な利益を得た場合に、その利益に応じて支払うものです。経済的利益が全くなかった場合は、支払う必要はありません。

 

次の例で、旧基準に従って、弁護士報酬を計算してみましょう。

 

50万円支払う、と言っている相手に対し、弁護士に委任して300万払え、という訴訟を起こし、250万の判決を得たとします。

 

着手金の計算の基礎となる経済的利益は、300万の請求額から、元々相手が払うと言っていた50万を除いた250万です。旧基準で着手金を計算すると、経済的利益300万以下の場合には8%ですから、250万×8%=20万円ということになります(便宜上消費税は考慮しません)。

 

成功報酬の計算の基礎となる経済的利益は、250万の判決を得たのですから、元々相手が払うと言っていた50万を除いて200万円です。旧基準での成功報酬を計算すると、経済的利益300万以下の場合は経済的利益の16%ですから、200万×16%=32万です。

 

ですから、この案件での弁護士費用は、着手金と成功報酬の合計で52万円ということになります(実際にはこれに交通費等の雑費が加算されます)。

 

相手に払わせる額を200万増やすのに52万の費用がかかった訳ですから、この争いをしたことによる純粋な利益は148万となる訳です(雑費を考慮しない場合)。

 

いかがでしょうか。この争いをひとつの「ビジネス」と考えた場合、採算が合わない程に弁護士報酬は高いと思いますか?

 

感じ方は人それぞれだと思いますが、具体的な金額が分からないままに、漠然と「弁護士は高い」と考えているのと、具体的な金額が分かったうえで採算を考えるのでは、全く違いますよね。

弁護士会などで相談し、受任して欲しいと考えたときも、相手の弁護士に対し、「着手金○○円、成功報酬は経済的利益の16%ということで引き受けて頂けないでしょうか」と、きちんと話が出来ますよね。

 

ちなみに旧基準では、訴訟外の交渉等の場合は、報酬額を2/3程度まで減額できるとしていますが、僕の経験上では、実際にここまで減額してくれる先生はあまりないと思います。

現実問題として、訴訟という弁護士の土俵で争うより、訴訟外で理屈の通じないバカ経営者相手に交渉する方が、弁護士としても骨が折れるでしょうからね。訴訟に準じた報酬額でも仕方がないと僕は思っています。

 

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