転職に際しては、まず履歴書と職務経歴書を応募先の企業に提出し、書類選考を受けることになります。

このうち、履歴書については、かつては『必ず手書きにするべき』という意見も多かったのですが、最近ではパソコンで作成するのがむしろ一般的になっています。また、その方が明らかに合理的です。

手書きの場合は、ちょっと書き損じると、また新しい用紙に最初から書き直さなければなりませんので、余計な手間や時間がかかります。

また、中高年の転職活動の場合、量の勝負という側面があります。

たくさんの企業に履歴書を送るときにも、一度基本となるものを作っておけば、後は日付の訂正と、応募先企業にあわせて志望動機をちょっと直したりするだけでOKですから、負担が軽くなります。

もっとも、もしあなたがペン習字の手本のような字が書けるなら、手書きも悪くないかもしれません。

ただ、この場合でも、コンビニなどで売っている市販の履歴書用紙、右側に「得意な学科」などという欄があったりするものは使わないで下さい。

40歳を過ぎた、課長クラスの求人の応募者が、この手の履歴書を使って応募してきて、「得意な学科」の欄に「数学」だの「地理」だのと書いていたりするのは、恥ずかしいので止めましょうね(実際にいるんだ、これが)。

ネットに、キャリア転職用のひな形がたくさんありますから、これらをアレンジして使うことをお勧めします。

 

 

 

職務経歴書の形式は、「速読しやすいかどうか」を考えて決める

 

さて、肝心の「職務経歴書」ですが、これは昔から、パソコンで作成するのが普通です。

履歴書と異なり自由形式ですから、書く人の個性がはっきり出たものとなります。

自己PR文を長々書いてくる人もいますが、僕個人としては、あまり好きではありません。

僕は、客観的事実だけを、箇条書きで要領よく纏めてある経歴書の方に好印象を持ちます。

 

そもそも、採用担当者が職務経歴書を見て、面接に進めるか書類選考で落とすかを判断するのにかける時間は、1人あたり2分~3分がせいぜいです。

2度・3度と読み返すことも、普通はしません。

ですから、細かい中身より、パッと見た状態でのバランスが大切です。

大見出し、小見出しを作り、文字サイズも変えたりして、メリハリの利いたものをつくるべきです。

一目見て構成が分かり、1度読んだら内容が掴めるものに仕上げる必要があります。

職務経歴書のデザインを考えるときには、

「採用担当者が速読しやすいもの」

「担当者がざっと斜め読みしても、自分のプロフィールが理解できるもの」

という視点で考えると良いと思います。

自分のこだわりよりも、相手が読みやすいかどうかを基準にするのがコツです。

 

枚数は、A4で2枚が標準です。但し、職歴が多い場合など、2枚ではやや窮屈な感じになる場合もあります。

無理に2枚に収めようとして、行数を増やし、行間がびっちり詰まったものを書くのは良くありません。速読が出来ません。

それより、行数を減らして行間を空け、適度に余白を持たせて3枚にした方が読みやすいものが出来ます。

ただ、枚数は3枚が限度でしょう。それで収まらないようなら、内容を見直して削るべきだと思います。

 

2枚~3枚に収まらないほどたくさん書いてしまう人の職務経歴書を見ると、自身の経験した職種、業務内容、業績等が、あれもこれもと細かいものまで、とにかくたくさん並べてあります。

こういう人は、「たくさん書いておけば、そのうち1つぐらい、企業が求めているものがあるかも知れない」と考えているのかも知れません。

ですが、それらを細かく読み込んで、自社に合うものをピックアップしてくれるほど、採用担当者は親切でもヒマでもありません。

自分が即戦力となれることをPRできる経験や実績は何かを考え、そこに絞り込んだ記述をし、枝葉は思い切ってカットすることで分量を減らしましょう。

 

尚、職務経歴書に職歴を書く場合、古い職歴から新しい職歴へと書いていく方法と、直近の職歴を最初に書いて、そこから古い方へ遡る方法との2つがあります。

どちらでなけでばならない、ということはありませんが、僕は、履歴書と同じように、古い職歴から順に並んでいる書き方の方がが分かり易くて好みです。

時系列に沿って書いてあると、その人がビジネスマンとしてどのような歩みをして現在に辿り着いたのか、読んでいる中で徐々に、自然な形でその応募者の人物像が出来上がっていきます。

採用担当者の頭の中に具体的な人物像が出来上がると、「俺のイメージが正しいかどうか、一度会ってみるか」という気持ちが起きやすくなります。

 

ところが、最初に直近の職歴が書いてあると、読む側は唐突に「応募者の現状に関する記述」を見せ付けられ、そこから遡って、その人の歩みを見ていくことになります。遡るのも時間軸と逆になりますから、それをもう一度頭の中で整理して、その人をイメージしなければなりません。

時系列に沿って書いてあるものと違って、自然な流れで応募者をイメージしにくいのです。

「逆から書いてある職務経歴書は、どうもしっくりこない」というのは、僕だけでなく、採用に携わっている複数の人が言っていることです。

少なくとも僕はこれまで、「逆から書いてあるほうが読みやすい」という人に会ったことがありません。

 

ですから僕は、オーソドックスに、古い職歴から順に書く方法をお勧めしておきたいと思います。