先日、僕の勤務する会社で、総務系の管理職を募集したのですが、その中に1人、経歴・経験は募集内容にマッチし、受け答えも堂々としていて、間違いなく仕事ができると思われる応募者がいました。

 

僕としては、当然最終候補に残るだろうと思ったのですが、ある役員から反対意見が出ました。

 

実は、その応募者は、最初に決まっていた面接日の直前にインフルエンザに罹り、面接日を変更した経緯があったのです。

 

その役員は、

「向うの都合で面接日を変更したのだから、最初に向うから『この度はご迷惑をお掛け致しました』位の挨拶があって然るべきだろう。それが無いような人間は、気配りが出来ない人間とみるべきだ」

と主張します。

 

他の役員も同調し、やがて、彼の自信に満ちて堂々とした態度も、

「ああいう人間に役職を与えると、部下に指示するだけで、自分は机にでーんと座っているようになるんじゃないか」

などと、マイナスの評価となってしまい、結局お祈りの文書をお送りする結論となりました。

 

その役員のケツの穴が小さい、という評価もあるでしょうが、ともかく転職面接の場面では、細かな部分でマイナス評価を受ける可能性がある、ということを目の当たりにした事案でした。

 

 

中途採用する会社は、組織に溶け込める人間を求めている

中途採用の募集をする会社は、組織にすんなり溶け込める人間を採用したいと思っています。

募集要綱で「変革を担える人材を」とか、「マンネリ化した組織に新風を吹かせてくれる人物を」とか謳っていても、入社早々あちこちで軋轢を起こすような人物では困るのです。

ですから、意識的であれ無意識のうちにであれ、「気配りができる人物かどうか」「常識的な人物かどうか」ということは必ず見ているのです。

 

面接で話す内容も重要ですが、それ以上に「話し方」が大事です。

面接試験の合否とは結局のところ、理屈ではなくフィーリングで決まることが多いのが現実です。

そして、そのフィーリングは、話し方をはじめとした、あなたの立ち振る舞い全体から面接官が感じることなのです。

 

特に、中高年で転職する場合や管理職として転職する場面では、そのような立ち振る舞いが「自然に」できていなければなりません。

 

 

好印象を与えるスキルは、僅かな期間で身につけられる

サラリーマン歴が長い人ほど軽視しがちですが、立ち姿、礼の仕方、会釈の仕方ひとつひとつが洗練されていれば、良い印象が残ります。

 

普段から鏡を見てチェックしてみると良いでしょう。背筋が伸び、しかも上半身がリラックスしている状態が望ましいです。

礼をする場合も、背を丸めないようにしましょう。首だけの会釈はいけませんよ。

 

話すスピードも大事です。

僕は早口なので、意識的にゆっくり話すようにしています。

スピード以外にも、自覚していない癖というものはあります。その中には、他人に好印象とならないものもあります。

面接で良くある質問(転職理由とか)をされたと仮定して、それに答える自分の声を録音してみましょう。

「あー」「えー」が多いとか、「実際」や「結局」といった言葉が必要以上に挟まったりとか、色々あるものです。

録音しながら何度か繰り返せば、短期間で改善します。

 

人に好印象を与えるスキルは、英語やビジネス法務などに比べ、はるかに短い期間で習得することが出来ますが、その威力は前者に匹敵するものです。

 

ベストセラーとなった「ビジネスマンの父から息子への30通の手紙」の中で、著者のキングスレイ・ウォード氏は、「何年もかけて高いビジネススキルを身に着けることが出来る人が、なぜもう1~2週間かけて、人に好感を与える立ち振る舞いや話術を学べないのだろうか」と書いています。

ある程度の社会人経験を持ち、ビジネスに対する自信がついている人ほど、こういった面を軽視しがちになりますが、それが採否を分けることもあるのです。

 

事務系管理職の募集案件には、大勢の応募者が殺到するのが普通です。

その中で勝ち抜くには、こういった細かことも、おろそかにしない心がけが大切ではないでしょうか。