転職活動については、出来る限り「転職先を決めてから今の職場に辞意を伝える」という原則を守った方がいいです。

 

中高年の転職じたいは決して難しくはありません。

(関連記事:中高年の転職は難しくない

 

ただ、転職は相手のあることです。あなたの退職に合わせて求人が出る訳ではありません。

いい求人案件が出るまで待つ余裕があればいいですが、失業保険の給付期間も終わりに近づくと、どうしても焦りが出てきます。

「前より労働環境の良い会社を選ぼう」から、「とにかく、どこでも」という風に、気持ちが変化してくるのです。

既に退職してパワハラ上司とも離れた結果、あなたの気力体力は大分回復しているはずです。

それじたいは悪いことではないのですが、体調が良くなっているがゆえに、あまり条件の良くない求人や、ハードワークが予測されるような会社でも、

「少々きつそうな会社だけど、大丈夫だろう」

とか考えてしまいがちになります。会社選択がどうしても甘くなるのです。

 

そうして新しい会社に入社し、しばらくすると、また強いストレスを抱え込み、苦痛に満ちた日々を送ることになります。

これでは、退職⇒転職した意味がありません。

 

“急募”に対応できるのが、退職していることの強み

先に退職してから求職活動をする人のメリットとして、「急募」の案件に対応しやすいということがあります。

 

求人広告にわざわざ「急募」と書く場合、企業の側には「明日からでも来て欲しい」という事情があります。

人材として優れていても、「2ヶ月後なら入社できます」とか、「3ヶ月後なら可能です」という人は選考対象になりませんよ、という会社の意思が、「急募」には込められています。

その点、あなたが既に退職していれば、すぐにでも入社が可能ですから、相手の望む第一の条件はクリアしている訳です。

 

上で、「焦って求職活動すると、会社選びが甘くなる」と書きましたが、この場合は相手の方が焦っているので、応募者選びが甘くなる傾向にあります。

面接の結果、あなたを採用するかどうか、多少迷うような場合であっても、あなたを不採用にした後にあなたより優秀な人が応募してくる保証はないし、なにしろ「急募」するような状況ですから、「よし、採用」となる可能性も高いのです。

実際には、在職で転職活動をしている人の中に、あなたよりもずっとそのポジションに相応しい実力者がいるかも知れませんが、「急募」であったがゆえに、あなたは彼らに勝てたのです。

 

“急募”にはブラックも多い。急募することになった理由は?

ただ、問題なのは、「急募」の求人を出す会社には、一定数のブラック企業が含まれるという点です。

「急募」になるのは、前任者の急な退職による場合が多いのです。

ブラック企業、経営層がパワハラをしている会社では、前任者がうつ病で退職していたり、酷い場合には失踪していたりすることがあります。

そんな会社に入ったら、そもそもの労働環境が厳しい上に、まともな引継ぎもない状態で入社日から現場に放り込まれ、大量の業務をこなさなければなりません。

そういうところにはまり込まないように、こちらは冷静に情報収集をするべきです。

紹介会社経由で応募する場合は、担当のエージェントに率直に聞いてみるもの良いでしょう。

エージェントとしても、紹介者がすぐ退職するとペナルティーがあるので、案外正直に教えてくれるものです。

面接の場で、さりげなく今回の急募に至った理由を訊いてみてもいいでしょう。

ブラック経営者の中には、「いやー、根性がない奴で、いきなり退職届出して来なくなっちゃってさー」とか、全く悪びれずに喋ってくれる人もいます。

その他、2ちゃんねるなどの大型掲示板で企業名を検索すれば、退職者や現役の社員(自称ですが)が、内部情報を書き込みしている場合があります。

 

余裕を失わないのが大切

退職済みの求職者は“急募” には強いが、ブラックでないかどうかを冷静に見極められないと悲惨な結果になるということをよく理解しておくことが大事です。

 

退職してからの休職活動では、どうしても時間的な制約(失業保険の受給可能期間)があるため、冷静さを失いがちです。

一刻も早く退職しないと身が持たない、退職してから求職活動をするという場合でも、せめて失業保険については十分研究してから退職の意思表示をすべきです。給付期間を延ばす方法がないか、真剣に検討してみるべきです。

 退職届けの前に!失業保険・裏バイブル

 

そして、結局のところ「とりあえずパワハラから脱出し」「転職活動の時間を確保しつつ」「急募案件にも対応できる」ようにするには、休職が最も良い解決策になります。

休職を申し出るのはちょっと勇気が要ることですが、急いで退職するよりは、はるかに有利なことが多いのです。

このブログの 「休職制度の活用法」カテゴリーの各記事は、休職に対する不安をできるだけ解消したいと思って書いています。ぜひ参考にしてみて下さい。