転職を決意したあなたがすることは、自分の希望と合う求人企業の情報をできるだけ多く収集することです。そして、そのためにするべき第一のことは、複数の転職紹介会社に登録することでしょう。

これは、もう片っ端から登録する勢いで構いません。尚、転職サービスに登録するとメールがたくさん届くようになりますから、転職活動用のメールアドレスをひとつ作っておくといいでしょう。GメールでもYahooメールでも構いません。

さて、転職紹介会社では、登録をすると、詳しいヒアリングのために来社を求められるのが普通です。あなたが地方住まいで、紹介会社を訪ねるのが難しい場合は、電話等でのロングインタビューということもありますが、そうでなければ紹介会社を訪問し、担当エージェントと面談することになります。転職エージェントは1時間から1時間半程度の時間をかけて、あなたの希望する転職条件(職種・年収・業界など)や、あなたのスキルについての聞き取りを行い、その上で自社が取り扱う人材募集案件とのマッチングを行います。

ここで問題になるのが、もしあなたにうつ病歴・休職歴がある場合、それをエージェントに正直に申告するべきかどうかです。

人によって意見が違うでしょうし、ここであからさまに「転職エージェントを騙しましょう」みたいなことを書くことは出来ません。

みなさんの自己責任で判断して頂くしかなく、その判断について、僕は責任を取り得ないことは明記しておきます。

その上で、「僕の場合はどうしたか」だけを書くこととします。

僕の場合は一切申告しませんでした。そして、それが正しかったと思っています。

 

転職エージェントは、信頼関係を築くべき相手だが・・・・

以下は、僕がどのように判断して、転職エージェントにうつ病歴・休職歴を伝えなかったのかを書きます。

確かに、転職活動をする僕にとって、エージェントは信頼を構築・維持すべき相手です。ですから、なるべく自分のことを正直に伝えるべきだというのが、一般論としては正しいのだと思います。実際に、転職動機として、パワハラや酷いサービス残業の問題等があれば、それをエージェントに伝えることは差し支えない、というか、伝えるべきだと思いました。

しかし、うつ病、休職歴、ということになると、ちょっと話が違ってきます。

実際のところ、うつ病は風邪と同じで、誰でも成り得る病気です。また、「うつ病」について、マスメディア等でも多く語られるようになり、社会の理解も進んでいます。

しかし、うつ病歴が採用の現場では非常に不利な材料であるのは、残念ながら今も昔も同じです。「うつ病」じたいはポピュラーになりましたが、うつ病歴のある人を気にせず採用してくれるほど、企業側の意識は進んでいません。

うつ病患者に対する差別意識は以前より少なくなっているかもしれませんが、「入社早々、再発して休まれたら困る」という判断が、どうしても強く働くのは、企業の論理として仕方がないことです。

僕が、うつ病歴や休職歴をそのまま転職エージェントに伝え、その上で「面接する会社には話さないでください」と言ったら、その転職エージェント、紹介会社はそれを聞いてくれるでしょうか。面接先の会社に黙っていてくれるでしょうか。

転職エージェントの所属する人材紹介会社は、誰から報酬を貰っているかを考えてみて下さい。めでたく転職が決まったとき、紹介会社は、僕には一銭も請求しません。会社側からのみ、成功報酬として紹介者の年収の20%~30%の報酬を得るのです。僕を年収700万で転職させれば、紹介会社には140万から210万の報酬が入ります。それは全部、入社する会社が払うのです。

ですから、紹介会社、そして転職エージェントにとって、お客様はあくまで求人企業です。そして、紹介会社の立場からは、僕はお客様ではなく「商品」に過ぎないのです。

転職エージェントが僕のうつ病歴や休職歴を知ってしまった場合、これをお客様(クライアント)である求人会社に伝えなかったら、背信行為になります。

もし、僕が転職先で再度うつ病により休職することになったとき、紹介会社がうつ病歴を知りながら会社側に意識的に伝えなかった場合、いわば「商品の欠陥を隠して売った」ということになります。これが発覚すると、その紹介会社は、場合によっては紹介料の返却を求められたり、出入り禁止を喰らったりしかねません。

ですから、やはり転職エージェントとしては、相手の会社に伝えざるを得ないのです。

僕自身、今の会社では(前の会社でも)、採用を担当する部門の責任者をしています。

そして僕の勤務する会社に紹介会社から来る人材提案(この段階では氏名や住所、過去の勤務先等の固有名詞は明かされません)にも、「うつ病で休職したことがありますが、現在は回復し、服薬もしていません」といったコメントが付加されているものが時々あります。

こういうブログを書いていて大変申し訳ないことですが、こういう紹介は、やはり書類の時点で落とすことが多いのです。

それなりにコストをかけて採用した人が、短期間でうつ病や精神疾患を発症した場合、やはり会社という組織では、「悪いのは誰や?」ということになります。自分が採用担当者で、紹介を受けた段階で「うつ病歴」が知らされていたとなると、やはり責任を免れることは難しい。「お前は何をしとったんや!」ということになるのは、なるべく避けたいという心理が働くのです。

ですから、後々責任を追及されるリスクがあると考えると、どうしてもその採用案件を先に進めるのに躊躇してしまうのです。サラリーマンとしては、いたしかたないことだと思っています。

 

僕がうつ病歴を伝えなかったのであれば、紹介会社に「故意」はない

僕が転職活動中に、せっかく「希望にかなう良い求人案件」を見つけて応募しても、エージェントが僕のうつ病歴を相手に伝えた時点で、もう面接には進めなくなるのです。これはどうしても避けたいと思いました。

しかし、僕がうつ病歴をエージェントに話さなかったことにより、紹介会社が僕のうつ病歴を把握していなかった場合であればどうでしょうか。

少なくとも紹介会社には「故意」はありません。紹介会社にとって、「私たちも聞かされておらず、分りませんでした」というエクスキューズが成り立ちます。

ですから、いささか強引な理屈ですが、あえて休職歴を伝えないのは、紹介会社のため、エージェントのためでもある、と僕は解釈していました。

そして、どの転職の場合でも、うつ病歴、休職歴は一切自分からは話さず、「過去も現在も、健康状態は大変良好」として転職を成功させてきました。

僕はそれで正しかったと思っています。

あなたがどう考えられるか、どうされるかはあなた自身の自己責任によるご判断でお願いします。

 

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