(前編・後編に分かれていた記事を1つにまとめ、内容も加筆しました)
あなたが強いストレスに晒されながら、それでも毎日休まずに、歯をくい縛って会社に通っているのは、あなたの責任感の強さもさることながら、「一旦“休職”なんてことをやってしまうと、この会社での将来は断たれてしまう」という恐怖感からでしょう。
確かに、特に精神的な疾患での休職歴が、今後のキャリアの中で有利にはたらくことはないでしょう。ただ、あなたが考える程「決定的なダメージになる」ものかどうかは、ひとつ冷静に考える必要がありそうです。
実際、僕が損害保険会社に勤めていたとき、ある日突然失踪して行方不明となり、1ヶ月後に都内のビジネスホテルで保護され、数ヶ月の休養を経て復職した方がいました。
数年は同期と1年程度の昇進の差はあったものの、その後はほとんど影響なく(もともと真面目な人で仕事もできたので)今ではある地区の本部長を務めていると聞いています。
大企業は、部署が多いうえに人事ローテーションも激しいので、案外そのような「前科」は数年のうちに「そんなこともあったっけ?」程度の認識になってしまうことも多いのです。
だとすれば、同僚がずっと、激務の連続で過ごした機関に、数ヶ月とはいえ、心休まる時間を持てたアドバンテージのほうが大きいのではないか、と僕は思います。
<転職を視野に入れた休職を>
大企業であれば、休職後に復帰する部署もたくさんあるし、人事ローテーションも多いけれど、中小企業に勤めている場合は、ちょっと事情が違うよ、とあなたは言うかも知れません。
確かに、中小企業とは、職場環境が社長(もしくは経営者一族の誰か)のキャラクターに依っている場合が多いのです。
ですから、その会社にいる限り、状況の変化はなかなか期待できないでしょう。また、大企業のように全国転勤がある訳でもないし、同じ部署でずっと仕事をすることも多いのですから、あなたの休職歴は長く記憶され、影響も続くでしょう。
では、中小企業勤務の場合、「休職」は出来ない選択なのでしょうか?
確かに、復職後にそのまま継続して勤めるのは難しい場合もあります。
仮にあなたが今課長で35万円の月給を貰っていても、復職後はヒラで18万円、なんて仕打ちもアリです。これは、僕自身が実際に経験したことです。
そして、中小企業でオーナー企業であれば、会社の体質は変わらない訳ですから、やがてあなたは、前と同じストレスに苛まれることになります。
では、どうするか。
僕なりの答えは、「転職を視野に入れた休職をする」ということです。
休職中に、ありあまる時間を使って自分のスキルを磨き、復職後、いつでも転職できる準備を整えるのです。
もちろんあなたは、これまでも転職を考えたことがあるに違いありません。
しかし、特に事務系・管理系職種の場合(総務・人事・経理など)は、実際に履歴書を書こうとすると、アピールできる“客観的”な材料って無いものです。
毎日の激務とサービス残業の合間で、転職のためのスキルを磨こうとしても、なかなか出来るものではありません。いや、自分の将来のためには頑張ってやらないといけないんですが、英語をはじめとするスキルアップのための勉強は、できればどこかで集中して取り組む期間があったほうがベターです。
今のブラックな中小企業に骨をうずめる気がないのなら、転職を見越した休職を検討する価値があります。これは、極めて戦略的にやる必要があります。その方法を、具体的に考えていきましょう。
自由な人生を手に入れる教科書
(電子書籍 無料ダウンロードサービス実施中!)