既にメディア等でみなさんご承知のことと思いますが、アリさんマークの「引越社」において、不当配転・不当解雇(その後撤回。但し不当配転はそのまま継続)があり、対象となった男性社員について、人事部作成の「罪状」と書かれた顔写真入りの懲戒解雇通知が掲示されるという事件がありました。

*事件の詳細は、プレカリアートさんのサイトで詳しいほか、ネットニュースでも見られます。

プレカリアートユニオン 「アリさんマークの引越社」  プレカリアートユニオン ブログ

 

会社の側にも言い分はあるのかも知れません。

しかし、『罪状』と記した張り紙を社内のあちこちに貼り出すという行為をする際に、これは危機管理上マイナスになるかも知れない、ということを考える人は経営側にいなかったんでしょうか。

あるいは、そういう危機感を抱いても、絶対権力者に「貼れ」と言われたら、その危機感を封印して言われた通り貼らなければならないような会社だったのでしょうか。

さらに、この掲示には、以下のような文言まで書かれています。

「世の中、まだまだ非常に厳しい状況です」

「懲戒解雇になった場合、再就職先があると思いますか」

「家族を誰が養うのですか」

「一生を棒にふることになりますよ」⇐(ココ、赤文字)

現物の画像は プレカリアートさんのブログ で見て頂くとして、それなりの規模と歴史を誇る会社が、この程度の危機感しか持ち合わせていないというのは、正直驚きでした。

 

さらに、プレカリアートさんのブログには、採用に関する研修で参加者が取ったメモも掲載されていましたが、これが輪をかけてすごい!!!

「労働基準法に詳しい人はNG」

というのは笑えました。労基法違反をしている自覚はあるみたいですね。

ただ、「三国人、ヨツ、ミツ」などの差別用語が研修の場で、採用不適格者を説明する際に会社側から出ていたとすれば、これは笑って済まされるものではありません。

メモですから、会社は否定するでしょうね。こういうときこそ、ICレコーダーで発言が録音できていれば、会社に対して絶対的に優位に立てる証拠となるのですが・・・・。

(ここまで、引越社さんの労使トラブルのニュースをもとに記載しました。引越社さんにおいて、反論その他がある場合は「お問い合わせ」から文書をお寄せ下さい。本記事の文字数の範囲内で、反論文書をそのまま掲載させて頂きます)。

 

僕は、このサイトで、証拠を確保した上で会社とわたりあう方法を論じていますが、最近はICレコーダーによる録音もポピュラーになっているので、対策を講じている会社も多くなっていると聞きます。

僕の古巣の損害保険会社では、部課長、支店長所長以上の役職者に対し、「社員が録音しているかも知れないので、言動に注意せよ」という通知があったとのことですが、会社が学習して警戒心を強めるほど、従業員にとって証拠確保は難しくなります。言い換えれば「よりテクニックが必要になる」ということになりましょう。いかに相手を油断させて本音を言わせるか、ということに心を砕く必要が出てきます。

・・・・・と言いたいところでしたが、今回のニュースを見て、まだまだ従来の方法で証拠確保は可能なんだろうな、と少々安心した気持ちになりました。

一般論かつ僕の個人的な感覚でしかありませんが、「労働基準法なんて知らないよ」「パワハラなにそれ美味しいの?」というような企業ほど、証拠集めに対する警戒感は薄いようです。従業員にとってはまだまだ付け込む隙があるということで、有り難いことなんですが。