50歳を大分過ぎてから、4回目の転職をしました。

今回の転職においても、「次の勤務先を決めてから退職意思表示をする」という大原則を守り、前職の退職日が2月末日、現職の入社日が3月1日で、無職期間をつくることはせずに済みました。

とはいえ、4回目の転職をしなければならなかった訳ですから、3回目の転職活動については、結果的に失敗だったと言わざるを得ません。

このようなサイトを運営していながら、誠にお恥ずかしい話ではありますが、読者のみなさんには僕の轍を踏んで欲しくないので、4回目の転職活動のどこが問題だったか、僕なりに振り返ってみたいと思います。

 

なぜ、4回目の転職に踏み切ったか

担当部門が赤字体質で、今後回復が見込めなかった、というのが最大の理由です。

会社の事業は大きく分けて3つありましたが、内2つは順調で収益も伸びている一方、僕が配属された事業部は、10年来の赤字でした。

累積赤字の大部分は僕の入社前に積み上げられたものでしたが、入社してすぐこの部門の責任者になると、ほどなく、他の役員から容赦のない責任追及が始まりました。

「他の事業部の利益を盗んでいく泥棒」扱いです。

もちろん、ある部門の責任者になったとき、過去のものも含めて責任を負わざるを得ないことはあります。

政治の世界でも、大臣になれば、自分が就任する前の失策についても、お詫びをせざるを得ません。

しかし、これはあくまでも対外的なことであって、内部的には当てはまりません。

赤字の大半は僕の入社前に積み上げられたものであるのはいいとしても、元々その事業を担当していたことがあり、自らも赤字を増やしていた役員が、今は担当を外れているのをいいことに、累積赤字が多額なだといって平気で僕を攻撃してくるのには呆れました。

10年前に赤字転落した原因は、ちょうどその時期に業界に起きた大きな変化に、なんら対応せずに、従前の体制のまま漫然と経営をしてきたからです。事前情報に基づいて対策を打っていた同業他社は、苦しいながらも黒字を出しています。

実は、僕のいた会社でも、その大きな変化に先駆けて、プロジェクトチームを作って対策を協議したらしいのですが、チームの責任者となった役員(現副社長)が知識不足で議論が理解できず、大変化が目の前に迫っているのに観念論を持ち出し(知識が欠如しながらプライドだけ高い人種が無理にリーダーシップを取ろうとすると、具体論では自分が優位に立てないので、往々にして観念論を持ち出す)、現実の対応については何ひとつ決められないまま大変化に突入したということでした。

この副社長が僕を攻撃する最右翼でした。

黒字化には事業規模やオペレーションのあり方など、抜本的に変える必要があるので、何度も具体的な数字を引いて取締役会でも提案をしたのですが、「とりあえず、その数字が正しいかどうか、検証してみたい。その方向性が正しいかどうかも、検討をしよう」などという対応でお開きになり、その後、半年・1年経っても検証も検討も行われず、再度意見具申しても「検証しなきゃ」「検討しなきゃ」の繰り返しです。

そうしながらも、僕の管理部門が赤字であることには、容赦ない非難が飛んできます。

赤字脱却には(かなり手遅れ気味ではあるものの)、現状の延長上では無理だと訴えても、相変わらず「まず検証」「もっと検討」の繰り返しです。

 

結局、従来通りの赤字を計上した結果、僕の従業員としての賞与(従業員兼務役員だった)について、「自主的に」一部を返上するように圧力がかかりました。

結果責任を取ることはやぶさかではありませんが、手足を縛っておいて「もっと走れ、もっと泳げ」は無理な注文です。

 

結局僕は見切りをつけ、転職活動を開始しました。

 

なぜ、転職活動中に会社の問題点に気付けなかったか

前回の転職で、会社の経営状態を確認しなかった訳ではありません。このときは、1,260円で入手できる東京商工リサーチの簡易な企業情報を取得しました。今思うと、収益の割に差引利益がほとんど出ていない点に疑問を持つべき・・・というか、多少は持ったのですが、企業情報の評点が60点というかなり高いものだったので、財務的には問題ないのだろう、と判断した、というか、自分で自分の疑問を押し殺したところがあったように思います。

早く転職先を決めたい、という思いが、そうさせたのかも知れません。「あばたもえくぼ現象」の怖さは自覚しているつもりでしたが、僕自身もそこに落ちてしまっていました。

 

今回の転職活動で新たに実施したこと

今回の転職に際しては、応募前に簡易な企業情報を取得し、財務状態が悪いところは応募の段階で外しました。

紹介会社の情報では、ネット掲載時に企業名が伏せられているものが多くありますが、紹介申込をすれば担当者からメールが来て企業名を教えてもらえるので、その段階で簡易な情報を取得し、経営状況に問題があると判断したら遠慮なく紹介辞退を申し入れます。

そして、今の会社に関しては、最終面接に進んだ段階で、簡易情報でだけではなく、過去3年分の財務諸表を帝国データバンクから入手しました(これもGサーチで取得できます)

7,560円の情報料はかかりますが、転職という大きなイベントでは、この程度の経費をケチっては駄目です。

尚、帝国データバンクなどの信用調査会社から財務諸表を取得できるのは、企業がその調査会社に決算書を開示している場合だけです。財務諸表を開示していない企業についても簡易情報には売上・利益の数字が出ていますが、これは取引先企業の情報などから、信用調査会社が独自に調査した結果です。決算書に基づいているかどうかは、売上・利益の欄に決算書の有無が記載されているのですぐ分かります。

決算書を開示するか否かはそれぞれの会社の判断になりますし、業界・業種によっても考え方の違いが出るところです。ただ、この企業情報は与信に用いられるものですから、健全な経営状態の会社であれば、取引先からの信頼を得る為にも、積極的に公開しているのが普通だと思います。

実際に簡易情報を見ると、業績の好調な時期には「決算書 有」だったものが、業績が落ち始めると、ある時期から「決算書 無」に変わっていたりします。こういう会社は、一応用心してかかる必要があると思います。
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